苔テラリウムは湿度も高く、イモリを飼うには最適な環境です。
テラリウムでイモリを飼育することから、通称「イモリウム」とも呼ばれます。
今回作成した苔テラリウムに「マダライモリ」という、ヨーロッパ原産の陸棲イモリを導入したので、その様子をお伝えします!
テラリウムでマダライモリの飼育を考えている方は参考にしてみてください。
用意したテラリウム水槽
使った水槽は「GEX エキゾテラ グラステラリウム 3030」です。
シダと苔をメインに、イモリが隠れられるような流木洞窟、木登りできる流木配置にこだわっています。
ここからイモリが覗いてたらかわいいな、このスペース気に入るかな、などといろいろ想像しながら制作するのが非常に楽しいです。
制作過程の詳しいページはこちら。

マダライモリってどんなイモリ?
マダライモリはヨーロッパ原産のイモリで、緑と黒のマダラ模様がその名の由来です。背中の中央に鮮やかなオレンジ色のラインが入っており、目を惹きます。繁殖時期にはこのラインからひだが隆起します。
国内では個人による繁殖がおこなわれ、オークションなどで購入することができます。わずかに店頭販売もあるようです。
両生類のため、繁殖時期と幼生の時期にはもちろん水棲ですが、成体になると水場をほとんど必要としない陸棲になります。そのためテラリウム水槽での飼育と相性がいいです。

飼育環境と注意
陸棲とは言えイモリはある程度の湿度が必要です。苔が生きいきと成長できる湿度を保つことが、イモリにとってもいい環境になるでしょう。
しかし湿度を保つといってもカビが生えるような環境ではいけません。イモリも病気になってしまいますし、苔や植物の成長も止まってしまいます。
「湿度は高く、通気性はよく」という一見矛盾したような難しい環境を再現することが、テラリウムで苔とイモリを上手く育てていく秘訣でしょう。この環境は自然界の森をイメージして戴くといいのではないでしょうか。マイナスイオンと巷で言われるように、森は高湿度ですが、風も吹いて空気の循環が存在し、気持ちの良い空間のはずです。これをテラリウム内に再現することが目標です。
そのため水槽の上部は半分アクリル板でふさぎ、半分は開放状態になっています。GEXのエキゾテラは、前面に通気孔があるため、この通気孔から上部へ空気の流れができるようにしています。
また中には水場ジェックス ウォーターディッシュ Mも用意しています。脱皮前など、イモリが多くの水分を必要とするとき、自分で水場に入ることができます。また、蒸発した水分が水槽内に供給され、霧吹きで植物に水を過多にあたえる必要もなくなります。
脱皮するときには体を物にこすりつけて脱ぐので、摩擦のあるものを入れてあげるといいでしょう。
ミズゴケを湿らせて敷いた環境でも飼育できますよ。

日々の世話
餌は人工飼料に慣れていれば、「レプトミン」を与えます。食べない場合は冷凍赤虫を用意する必要があるかもしれません。レプトミンは臭い対策にもなります。
うちでは、レプトミンジュニアを2日に1回ピンセットで与えています。
餌に寄ってくる様子が愛らしいです。
また、排泄物や枯葉はできる限り取り除くことで、カビの発生を防ぎ、イモリの皮膚病対策にもなるはずです。
時々冷凍赤虫を与えますが非常に食いつきがいいので、レプトミンを食べないときは赤虫を与えたり、レプトミンの上に赤虫を乗せて与えてもいいと思います。
橋渡しの術 木登りイモリ
苔テラリウムでイモリ 飼ってみませんか?
緑いっぱいのテラリウムでマダライモリを飼育すると、マダライモリの緑色にオレンジのライン、その美しさが際立ちます。
植物いっぱいのテラリウム内では、ぱっと見てもどこにいるか見つからないこともありますが、どこにいるのかなと植物の間を探すとき、自然界で生き物を探しているときのようなワクワクがあって、毎回の観察のたびに楽しませてくれます。
工夫して組んだ流木に登っていたり、植物の間からつぶらな瞳で覗いているのを見るととても癒されます。
是非皆さんもテラリウムでのイモリ飼育始めてみませんか?