僕がアドリブ演奏に挑戦しようと思った理由

アドリブ演奏

「楽譜がなくてもピアノをサラッかっこよく弾けるようになりたい!」 
僕がアドリブに挑戦しようと思ったのはそんな思いからでした。

僕は5歳くらいの時からクラシックピアノを習っていました。クラシックピアノは、楽譜の譜読みから始まり、細かい運指練習や楽譜の暗譜を経て、やっと曲が弾けるようになります。発表会は基本暗譜で臨み、ミスは許されません。

確かに有名な作曲家のソナタなどが弾けるようになれば、達成感はありますし、かっこいい演奏ができるようになります。しかしそれまでの練習の地道さ、弾いているときのミスしてはいけないという恐怖感から、心からピアノの演奏を楽しむことができませんでした

さらに悲しいことには、せっかく長い時間をかけてマスターした大曲ですが、しばらく演奏しないうちに楽譜や運指を忘れ、弾けなくなってしまいます。友達に「ピアノ弾けるの!?何か弾いてよ!」とせがまれ、ぱっと弾けなかったり、うる覚えのまま弾いてミスして恥をかきます。楽器をやる方なら皆さん経験ありませんか?

この楽譜ありきの演奏に対する恐怖は僕にとって大きく、発表会で楽譜を忘れたり、ミスを連発してしまう夢をみたほどでしたよ(笑)

そんなクラシックピアノ恐怖症の僕が出会ったのが、『コード弾き』または『アドリブ演奏』という考え方でした。

コード弾きでは楽譜やネットにあるコード進行に沿ってコードを弾き、メロディーを加えて曲を弾きます。コードの構成音は決まっているものの、弾き方(コードの押さえ方)はいくらでも奏者のアレンジを加えることができ、右手でメロディーを弾いたり、他の人に演奏してもらうことができれば、コードを追いかけて弾いていくだけで曲が完成します。知った曲でコード進行さえネットや本で調べれば、譜読みなどほとんどせずに、ほぼ1発で初見演奏ができてしまいます。

さらにコードやスケールについて勉強していくことで、使える音、かっこいい和音を、自分でアレンジしながら即座に弾けるようになります。これがアドリブ演奏です。
アドリブ演奏に特化した音楽がジャズですね。自分なりの曲の解釈や自己表現をアドリブ演奏に乗せて聴く人に伝える。音楽に対する姿勢としてもうすでにかっこいいなと憧れました。

大学に入って、独学でコードで弾く練習、アドリブの練習をするに従い、僕の中でピアノや音楽に対する意識が変わりました。

これまでは楽譜通り正確に弾くことが正解。ミスはダメ。そんな強迫観念に似た息苦しい縛りの中で音楽をしてきました。ところがコード弾きを習得して、アドリブで演奏する楽しさを知って、音楽の自由さ楽しさを心から感じ、音楽は自己表現なんだ!と実感できました。

もちろん自由であるからこその難しさはあり、音楽理論も勉強しなければなりませんが、基本の敷居は低く、しかし深めればとても奥深く、習得すれば音楽で自由に自己表現ができる喜びがある。僕はそんな音楽への接し方ができるジャズを極めてみたいと思いました。

自由に演奏する力を身に着けることで、楽器を演奏することの本当の楽しさを知ることができたと感じています。